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筋膜について

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このページは、私がある整体スクールで講師を務めていた時にメルマガや会報で投稿した原稿を一部改変して掲載しております。

当時、筋膜について情報が少なく、さまざまな文献を読みあさりまとめたものです。我ながらかなりマニアックにまとめられた良い内容だと思います。

 

筋膜解剖学講座 ①

「 筋膜の定義とは?」

 

筋膜の解剖学は勉強すればするほど解らなくなる、もがけばもがくほど抜け出せなくなる泥沼のような学問です。筋膜について知識をまとめようとした先生であればご存じですよね?

筋膜に関する用語は教科書によってもバラバラです。例えばA先生の言う筋上膜とB先生の言う筋上膜は、それぞれ違う組織を指していたりします。そもそも筋上膜という概念のない考え方もあります。

この混沌とした筋膜の解剖学の知識を整理して、共通の知識と用語を共有することが当講座の目的です。

筋膜と聞いてあなたは何を想像しますか?大体の方は筋肉を覆っている膜を想像すると思います。解剖学的な狭義の意味では正解ですが、実際はもっと広い意味を持っています。

2007年にハーバード大学で行われた第一回国際筋膜研究学術大会という、たいそうな立派そうな学会でfascia(筋膜)は

「固有の膜と呼ばれている高密度平面組織シート(中隔、関節包、腱膜、臓器包、支帯)だけだはなく、靭帯、腱の形でこのネットワークの局所高密度化した物を含む、その上それは浅筋膜または筋内の最奥の筋内膜のようなより柔らかい膠原線維性結合組織を含む」

と定義づけられました。・・・・どうでしょう?この定義を読んでピンときました?正直、国試直前の現役学生でも???の難解な内容だと思います。

次回以降この定義を分解して、詳細を少しずつ理解していただきたいと思います。

 

 

筋膜解剖学講座②

「筋膜=線維性結合組織?」

今回は、第二回目にして眠たい内容です。

この講座では、なるべく教科書的な内容ではなく、読んで楽しいものにしたいと思っています。思ってはいますが・・・それでも、今回眠たい内容を書くのは、筋膜の施術を理解していただくのに必要な知識だからです。学生の頃を思い出してしっかりと読み込んでください。

前回は筋膜の定義について「腱や靭帯や臓器包など、膠原繊維性結合組織でできた器官全て筋膜だよ」と書いてありました。もっと短くまとめると「線維性結合組織=筋膜」なのです。

さて、線維性結合組織ってなんでしたっけ?

解剖学の教科書の総論のとこに書いてあり、一番はじめに習うとこなのですが覚えてますか?忘れちゃった人は図1を見て思い出してください。

 

線維性結合組織は支持組織に分類されます。さらに膠原線維の密度によってa密性結合組織b疎性結合組織の2つに分類されます。a密性結合組織は膠原線維が豊富で、皮下の筋外側を覆う筋膜や腱膜、靭帯などをつくります。 b疎性結合組織は膠原線維がまばらで組織の間や器官の間を埋ています。疎性結合組織の役割的には①組織同士をゆるく結合する②組織同士を分離する、相反する役割を繊細なバランスで保っているのです。

しかし、繊細なバランス故に簡単に機能が破綻します、実はこの疎性結合組織が筋や関節の運動を制限する原因になるのです。

次回はどうして疎性結合組織がなぜ運動制限の原因になるのか詳しく解説していこうと思います。

 

筋膜解剖学講座 ③

「癒着の正体」

前回は「結合組織には疎性と密性2つのタイプがあり、疎性結合組織は組織間の分離と結合をしている」という内容でしたね。今回はその疎性結合組織がどのように組織間を癒着させてしまうのか解説します。

解説して行こうと思ったのですが……実は筋膜の癒着に関して詳しいことは分かっていないのです。これは有名な理学療法士の先生も言ってたのですが、筋膜の癒着に関する研究や論文はほとんど無く、今後の課題だそうです。

ということで今回はこうであろうという仮説の話です。

線維性結合組織は膠原(コラーゲン)線維でできています。膠原線維の“膠”の字は「にかわ」と読みます。「にかわ」とは世界各地で古くから使われてきた接着剤で、獣の毛皮や骨などを煮詰めて膠原線維を抽出して作ったそうです。つまり膠原線維はそれだけくっつきやすい性質を持っているのです。

このくっつきやすい膠原線維をくっつかないようにしているのが、ヒアルロン酸やプロテオグリカンなどの細胞基質で、線維の間の潤滑油としての役割を果たしています。

しかし、何らかの原因でヒアルロン酸の分泌代謝が停滞し潤滑作用が失われ、組織間の結合組織の滑走性が失われる状態が、筋膜の癒着の正体ではないかと思われます。

結合組織のヒアルロン酸の分泌については、「fa-ther筋膜療法 たにぐち書店」に記述があり簡潔にまとめると「膠原線維に張力が働くとヒアルロン酸の分泌代謝が高まり、張力が少ないと分泌代謝が停滞し拘縮を生じる」そうです。拘縮と滑走不全、表現は違いますが、ヒアルロン酸なのど細胞基質の不足が運動機能に何らかの制限は与えそうですよね。

 

筋膜解剖学講座④

「筋膜といえば深筋膜」

前回までどちらかというと組織学的な内容でしたが、今回は実際我々がアプローチしている筋膜のお話をしたいと思います。治療家が施術を行う時に、筋肉や関節にアプローチするわけですが、直接筋肉や関節に触れるわけではなく、必ず皮膚を介して目的の組織にアプローチしています。

そのため、我々が触っている皮膚の下がどうなっているかをしっかりイメージする事で、正確なアプローチが可能になるのです。

というわけで、まずは体表から。

体表にはもちろん皮膚があり、皮膚には表皮と真皮があります。

その下には皮下組織という脂肪の層があるのですが、薄い疎性結合組織に脂肪が結合されて層を作っています。これも立派な筋膜で浅筋膜と呼ばれています。

さらにその下には、硬い密生結合組織の膜があり、この膜がいわゆる全身をボディスーツの様に覆う筋膜です。この筋膜は筋肉と筋肉の間に入り込んでいて(これが筋間中隔)コンパートメントを形成している筋膜です。

さらに固有の筋肉の周りを薄い疎性結合組織の筋膜が何層にも覆っています。

この筋膜の名称は人によって呼び方がバラバラで筋外膜とか筋上膜とか呼ばれています。

なぜ人によって名称が違うかというと、元々「fascia」は”帯”という意味で、線維性結合組織の事なのですが、をこれを筋膜と訳してしまったのが、この状況を作った原因かと思います。

いつか筋膜の名称にスタンダードができればいいのですが、とりあえず図の様に筋膜の名称を覚えておきましょう。

 

筋膜解剖学講座⑤

「見落とされがちな最重要組織」

前回は皮膚から筋肉までの筋膜の構造のをざっくりお話しました。

表層から皮膚−浅筋膜−深筋膜(筋外膜−筋周膜−筋内膜)でしたね。今回は表層の筋膜、“浅筋膜”について詳しく解説していきます。

日本の解剖学の教科書では浅筋膜を皮下組織と表記する事が多く、あまり馴染みがないかもしれません。

私が最初に筋膜に興味をもったのは、吉岡紀夫先生の筋膜療法(たにぐち書店)を読んだ事がきっかけですが、吉岡先生のいう浅筋膜は他の教科書でいう深筋膜や筋外膜の事で、当時かなり混乱した事を覚えています。筋膜の名称に関して教科書や先生にバラバラで学習しずらいのが現状です。

浅筋膜=皮下組織は疎性結合組織の筋膜に脂肪組織が結合され、脂肪の膜を作り全身を覆っています。

以前、筋膜を観察するため、有害鳥獣で処分される鹿の前足をもらってきて解剖した事があります。鹿の毛皮を剥ぐと、脂肪の層はなく、薄い筋膜が何層にも重なって深筋膜を覆っていました。おそらく、脂肪の少ない鹿のような動物は皮下組織の脂肪層は形成されず、疎性結合組織の浅筋膜のみが存在していたのだと思われます。

人間では瘦せ型の人と太った人では皮下組織のボリュームは異なり、太った人の方がはるかに浅層に癒着をつくる事が多いです。おそらく浅筋膜は筋肉と非常に癒着しやすく、かなりの高頻度で運動制限を作る要因になります。どうしても軟部組織の施術は筋肉に注目してしまいますが、浅筋膜の癒着という観点を忘れないようにしましょう。

 

 

トレーナー目線の筋膜の話①

トレーニング系の雑誌に筋膜の記事が載っていたので、面白いところを抜粋したいと思います。

以下【 】内が抜粋です。

【深筋膜による筋肉同士のつながりによって、互いの筋肉の動きに多少の影響を与え合うことは確かにあります。筋肉の間の強い連結で相互に影響する部分として、例えば胸腰筋膜を通してつながっている大臀筋や広背筋などが相互に作用する(Vleeming,1995)ことは、解剖学的にもよく知られています。】

【ただし、アナトミートレインのような筋膜のライン(深筋膜のライン)がよく用いられますが、実はこのラインはそのつながりの強さを解剖学上で明らかにした上で作られた「解剖図ではない」ことに注意が必要です。】

【死体解剖により深筋膜の様子を実際観察してみても、解剖時の切り開き方次第で、連結の様子がさまざまにつくられてしまうといわれています(Benjamin,2008)】

【現状では「ある部位をほぐすことにより他の部位もほぐれた」などといった経験則に基づいて、深筋膜の影響し合う連結ラインを概念的に定義しているといったところのようです。】

実はトーマス・マイヤース(アナトミートレインの提唱者)もアナトミートレインを紹介する論文で次のように結論しています。

【アナトミートレインの筋膜経絡は、確立された科学的事実よりも、むしろ“目的論的証明” である】

どうでしょう?

「解剖時の切りひらき方次第で連結の様子はさまざまにつくられる」なんて言われたら、筋膜ラインの施術なんて意味あんの?なんて思っちゃいますよね。

ただ、経験則では、古くから経絡に代表されるような、身体つながりをラインで捉えることは何らかの意味はあるのでしょう。

筋の機能的な連結を邪魔する結合組織の癒着について、解明されればグリッピングの有用性が証明されると思うのですが、我々は学者さんではないので、経験則に基づいて治療法を設計するしかないですね。

 

トレーナー目線の筋膜の話②

今回はトレーニング系の雑誌に載ってた筋膜の記事を抜粋してまとめてみました。

トレーニングの世界は結果が全てで、結果に対する評価が整体よりもシビアです。

トレーニングって重量など数字で評価できますし、筋肉が大きくならなければ無意味なのですからシビアになるのも当然です。

オカルトは入る隙間がない世界なのです。

それに対して整体ってどこか占い的なとこもありますよね?結果は気分で変えられるというか。

そのため生理学の分野は治療家の業界よりもマニアックな方が多です。

この雑誌もトレーナーが読むものではなく一般トレーニー向けですが、なかなか高レベルな内容です。

そんなトレーニング系の雑誌で紹介されていた「筋膜」記事がなかなかおもしろかたのでシェアしたいと思います。

ちなみに【】内が雑誌の内容をまとめたものです。

【筋収縮に関わる「収縮たんぱく質」と筋膜は別の組織であること。

筋膜はバネのような弾性を持っていて、筋肉全体の力発揮に影響を与えること。

筋膜と腱は素材的にはよく似ていて、コラーゲン線維ででいている。

両者の違いは筋肉に対する位置が全く違う。

筋肉をモデル化した場合、「腱」は筋線維と直列の方向にあるのに対し(直列弾性要素)、「筋膜」は筋線維と並列の位置にある(並列弾性要素)。

筋膜リリースは並列弾性要素を柔らかくする行為。

動かすと柔らかくなって、動かさないとすぐに硬くなるというのがコラーゲン線維の特徴。】

収縮たんぱく質とは、アクチンとかミオシンの話ですね。

筋膜はコラーゲン線維で出来ているので収縮たんぱく質と筋膜は別物です。

筋膜リリースは並列弾性要素を柔らかくするということですが、世の中の筋膜系の手技のは筋肉に対して縦方向にアプローチするものがほとんどです。

それに対してグリッピングテクニックは横断するようにストロークする事が多用します。

並列弾性要素に対するアプローチならストロークの方向は横方向が適しているように思います。

【cheatham(2015)らがシステマティックレヴュー(複数の論文を概観して1つの結果を得るタイプの論文)では「筋膜リリース」と呼ばれる手技が関節可動域や身体運動に影響を与えたとする研究結果はいくつかある。

手技の効果が本当に「筋膜」そのものに変化を起こしているかが証明されたわけではない。

筋膜リリースの効果は一過的なものがメーンで、長期的な効果を検出したという研究はほとんどない】

筋膜の「癒着」に関する論文などはほとんどないと聞いています。この論文でいう筋膜自体の変化は、筋膜の弛緩の事だと思われます。

我々がイメージしている筋膜の変化(筋膜の癒着)とは根本的に違うのかなと思います。

ここら辺は今後の研究で明らかになるのを待つしかないですね。

 

「筋膜の連結に根拠はない?」

世の中には筋肉や筋膜の連結からアプローチする手技がたくさんあります。

その多くは筋筋膜の連結や、筋機能の連結に注目しています。

体の縦方向連結に注目しているので、いわゆる直列に筋筋膜の連結を重視しています。

例えば 腓腹筋ーハムストリングー仙結節靭帯ー脊柱起立筋ー帽状腱膜 という具合です。

一つの筋肉が単独で収縮する訳ではなく直列した筋肉が連動して動います。

この理屈を利用して遠隔部からのアプローチをしている先生もいらっしゃいますよね?

では、ハムストリングがうまく動けてない場合、アプローチするならどこを攻めますか?

ハムストリングに接続している仙結節靭帯?その先にある起立筋?末端で接続する腓腹筋?

少し考えてみて欲しいのですが、

ある部分が痛かったり、運動制限があるとして、その筋肉の連結している先を攻めると、筋肉は弛緩してしまい筋機能の働きは悪くなると思いませんか?

ハムストリングが短縮して、筋の連鎖を阻害しているのであればそれでいいと思いますが、一連の筋連結の機能が衰えてる場合に同じことをすると症状を悪化させてしまいます。

考え方を変えてみましょう。

筋筋膜は連結しています。その連結を阻害する要素とは何か?

それはやはり「癒着」です。

癒着は直列方向ではなく並列方向の癒着で、隣接する筋肉や脂肪組織、靭帯などが線維性結合組織を介して癒着するのです。

その癒着を解除する事によって筋筋膜の連結を正常にする。

前の例であれば、ハムストリングのお隣にある外側広筋にアプローチしてみるのはどうでしょう?

ハムストリングは膝関節の屈筋、外側広筋は膝関節の伸筋です。

両筋は正反対の機能を持ちながら隣接しています(間に中隔がありますが)。

もしこれらの筋が癒着して互いの力の発揮を相殺してしまうとどうなりますか?

ハムストリングは膝を曲げたいけど、外側広筋に力が伝達してしまい思うように力が発揮できない。

イメージわきますよね?

筋筋膜の連結を意識して遠隔部からの治療をするのもいいですが、筋肉や隣接する筋肉、組織を3Dでイメージしながら治療法を考えると新たな切り口で施術を組み立てることができますよ!

 

【9割の先生が知らない筋膜の正体】

 

皮下脂肪の層も筋膜って知ってました?

皮下組織のことを「浅筋膜」や「皮下筋膜」と呼ばれています。

私も最初はなんで脂肪が筋膜なんだ?と戸惑いましたが、解剖学の世界では常識のようです。

浅筋膜は、粗性結合組織といって、薄く柔らかい筋膜が折り重なったような構造になっていて。その間に脂肪細胞が蓄積され皮下脂肪の層を形成しています。つまり粗性結合組織の筋膜によって形成せれる脂肪層、そのため筋膜の名称が付いているではないかと思います。

実は、臨床ではこの浅筋膜が超重要になってきます

なぜなら、この浅筋膜は結構がっつりと皮膚や筋肉と癒着するからです

筋膜の施術をしてる先生が、解剖実習に行って口にする感想に

「筋膜は薄っぺらくて、これが可動性を制限するとは思えない」

「脂肪層の存在感がすごい、脂肪層が動きを制限するんじゃないか?」

よくそのような感想を聞きます。

それくらい脂肪層=浅筋膜はボリュームがあり、何かしらの運動制限を起こす組織なのではないかと考えられます。

太っていて、背中の皮膚がパンパンに突っ張ったような患者さんっていますよね?

このような方に親指で局所的に揉みほぐしても時間と体力の無駄です。

このような患者さんには十分に”たわみ”を作って脂肪と筋肉を引き剥がすようにアプローチしてあげましょう。

痛みで絶叫するかもしれませんが、終わってからの体の軽さに驚かれますよ。

逆にやせ型の皮膚も関節もゆるゆるタイプには違う攻め方を考えたほうがいいでしょう。

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