仙骨の機能・構造・変位による身体に及ぼす影響



仙骨は5個の仙骨とその間の椎間板からなり、骨縁提が椎間板と骨性癒合を起こす。この部分の骨化は15,16歳ではじまり、仙骨相互の癒合は25歳~35歳までに下方から上方へ向かって進行する。

前面には前仙骨孔が4対あり、脊髄神経の前枝が通過する。S1-S3前枝とL4、L5前枝で仙骨神経叢を作る。仙骨神経叢は骨盤後壁を大坐骨孔に向かって斜めに下る。枝は皮枝と筋枝に分かれる。筋枝は外寛骨筋・大腿屈筋・下腿及び足のすべての筋・会陰筋を支配する。皮枝は臀部・大腿後面。下腿・足・会陰部の皮膚に分布する。後面には後仙骨孔が4対あり脊髄神経の後枝が通過する。S1-S3後枝外側枝は中臀神経として臀部の皮膚に分布する。

仙骨の運動は骨盤輪の幅を変えるので、産科学的に重要である。可動域は強靭な靭帯によって著しく制限されているが、個人差や性差が大きい。腸骨に対してうなずくような可動性があり、恥骨結合面と尾骨を結んだ骨盤下口の前後計が前屈位で広く、後屈位で狭くなる。腰仙角は30°が正常、前屈位(骨盤前傾)で角度が大きくなり腰椎の前湾を強め、後屈位(骨盤後傾)では角度が小さくなり後湾を強くする。

仙骨の変位に大きく影響を与える筋で、とくに重要と考えられる筋肉は梨状筋で、機能亢進を起こすと股関節の外旋変位だけではなく、仙骨が大腿骨へ引っ張られるため、骨盤後方変位を起こす。一側の機能亢進では後方変位・反対側回旋・他側への仙骨の側屈を起こす。他側の脊柱の側湾が強くなり、重心も他側へ移動する。

例えば左の梨状筋が短縮した場合、仙骨は右に側屈し、左側は前方、右側は後方に変位する、これは右後方下方仙骨のリスティングと一致するので仙骨の変位は梨状筋が関与すると思われる。

仙骨は脊柱の土台になる重要な骨であると思われるが、仙腸関節については多く書いてあるが、仙骨の機能異常に対して整形外科や理学療法の教科書にはほとんど記載がなく、あっても仙骨の奇形ぐらいであった。脊柱の機能異常を専門に扱うカイロプラクティックの教科書にもほとんど記載は無く、中川先生のカイロプラクティックノート2が一番詳しく記載してあった。