股関節の構造と機能



股関節は、寛骨外側下端に位置する寛骨臼と大腿骨頭からなる臼状関節(球関節)である。寛骨臼は前額面で30°下方へ傾斜し、水平面では30~40°前方へ傾斜する。
関節窩はとして月状面と関節唇が大腿骨頭の2/3を覆っていて、下方を寛骨臼横靭帯によって補完される。

大腿骨頚部に沿って、骨盤、股関節及び下肢に通る力線に対応する独特の骨梁パターンを展開している。大腿骨頚は骨幹に対して2つの角度を形成する。頚体角は成人で126°~128°である。年齢とともに角度は小さくなり新生児が150°、老人で120°、頚体角が減少するにつれ頚部骨折になりやすくなる。頚体角が大きいと外反股になり一般に内反膝を合併する。頚体角が小さいと内反股になり、外反膝になりやすい。

前捻角はヨーロッパ人の平均が12°であるが10°~40°と変動幅が大きい。前捻角によって股関節における大腿骨頭の屈曲から回旋への運動の変換が可能になる。前捻角が大きいと下肢は内旋し、小さいと外旋する。

股関節を作る靭帯は前方の腸骨大腿靭帯・恥骨大腿靭帯、後方の坐骨大腿靭帯で関節包を補強し股関節を支持している。これらの補強靭帯は股関節の伸展・外転・内旋位で緊張する線維走行となっているので、股関節痛がある場合はこの緊張を緩和するため屈曲・内転・外旋位となりやすい(本によっては10°~30°屈曲、10°~30°外転、10°外旋が最緩位とある)。
腸骨大腿靭帯は立位での骨盤後傾の制限をする。関節包内には大腿骨頭靭帯があるが股関節の支持靭帯ではない。
股関節の屈曲・伸展は大腿骨頚部と骨頭中心を結ぶ線を回転軸とし、大腿骨が屈曲するにつれ骨頭は後方へ軸回旋する、伸展時には逆。内外旋、内外転は関節の凸の法則にしたがい骨頭部は反対へ滑る。 

股関節の運動には仙腸関節及び腰椎の運動が関与し、股関節を診る上で、千腸関節および腰椎の関与は非常に重要である。また、この逆で仙腸関節障害、腰部椎間関節の障害が股関節から発生している場合もあるので臨床上重要な関節である。