胸椎の構造

胸椎の機能と構造

胸椎では、胸郭臓器の保護と機能が、分節間脊柱運動よりも優先される。解剖学的構造が制限されるため脊柱で最も可動性の少ない部分となっているが、機能単位で生じる小さな運動は重要である。とくに自律神経系の要素に影響を及ぼす力学的変化が生じるためある。
胸椎の椎間板は比較的薄い、椎間板と椎体の高さが5:1で脊柱のなかでは最も比率が低い。この比率が低いために、胸椎は柔軟性が少ない。
胸椎の特徴は、肋骨との関節を形成する肋椎関節及び肋横突関節の存在である。定型的な胸椎はT2~T8でその他は構造が異なる。T1の椎体はC7と類似しており、第一肋骨と完全な関節面がある。T9は下方に関節面がなかったり、左右両側にそれぞれ関節面が存在するケースがある。T11からは腰椎の椎体の特徴に類似し始め、刺突起は短く、ほぼ水平である。T12は椎体上に肋骨のと関節を作る完全な関節面を持つが、それ以外は腰椎に似ている。
胸椎の後湾は平均45°、許容範囲は20~50°でT6.7で頂点を作る。胸椎の湾曲の変化は、解剖学的な場合と姿勢的な場合がある。原発性の胸椎湾曲では、頚椎・腰椎についで二次的変化が生じやすい。頭位が前方になり、肩が丸く前方にでる姿勢症候群は、中部および下部僧帽筋の慢性的な伸張性の減弱と関連していることが多い。後背部及び頚部の筋に慢性的な緊張があると局所的筋膜症候群や頭痛を生じることがある。胸椎の湾曲が増大すると、胸郭臓器が押し込められ正常な生理機能を妨げることがある。
3つの主要運動のうち屈曲と伸展がもっとも制限をうける。回旋と側屈はほぼ同等の運動を示し、屈曲・伸展のほぼ2倍の運動をしめす。
屈曲及び伸展の全範囲は運動分節あたり6°で足方へ行くに従って柔軟性がます。下位の2椎は12°ある伸展は関節突起・刺突起の圧着のため屈曲より大きな制限を受ける。
側屈は平均で6°で下位の2椎では7~9°である胸椎全体ととうして側屈は回旋と連動する。これは頚椎と反対のパターンで上位腰椎でとくに明白である。
回旋は上位胸椎で8~9°である。回旋運動は中部胸椎で僅かに減少し下位の今日ついでは2°まで減少する。回旋運動も側屈運動と連動する。
胸椎は可動性は少ないが、肋骨と関節し胸郭を形成している。胸郭の柔軟性が体幹の可動性を制限し、胸椎の変位を作るため、臨床ではとくに重要な部位である。