腰椎の機能的・構造的特徴

脊柱における関節運動の最小単位は運動節であり、運動節は一対の椎骨と椎間板で構成され、前方部分は比較的強固に連結する椎骨と椎間板からなり、主として体重支持を行う。後方部分は滑膜関節である左右一対の椎間関節を含む椎間弓、棘突起、副突起、乳頭突起、肋骨突起からなり、筋腱の付着部を提供し主に椎骨の運動に関与する。腰椎の横突起は系統発生学的には肋骨と相同である。したがって腰椎の横突起は肋骨突起と呼ぶほうが正確で、ほかの横突起と相同ではない。上下の関節突起はほぼ垂直で矢状方向を向いている。上関節突起の関節面はやや凹面で下関節突起の関節面は凸面をしている。

腰椎分節の屈曲と伸展の範囲は、分節ごとに平均15°で、矢状面回旋と、各方向に平均2~3ミリの矢状面平行移動が組み合わされる。X線検査で、臨床的関節不安定の評価では4.5ミリが上限とされる。屈曲と伸展の回旋軸は、通常下位腰椎の椎間板中にあり、屈曲は前方に伸展は後方に移動する。

分節での側屈はどちら側にも片側側屈平均6°で、腰椎の側屈は反対側の回旋と連動する。例えば右へ側屈した場合左回旋をともなう。これは頚椎や上部胸椎でみれらるパターンと反対である。
よくみられる側屈に対する連動運動の異常をGriceとCassidyは4つのパターンに分類している。タイプ1は側屈が反対側への軸回旋に関連して起こるパターン。タイプ2は側屈と同側への軸回旋が複合したもの、原因としては最長筋、多裂筋の筋の不均等など。タイプ3は障害分節で側屈が生じないか、体幹屈曲と反対方向への側屈運動を伴う。原因は椎間板の機能異常、腰方形筋や横突間筋の短縮など。タイプ4は異常な分節回旋と側屈(側屈も回旋もしないなど)原因は大腰筋や多裂筋の不均衡、椎間板の機能異常など。そのほか、半前屈の座位など、腰椎の後湾が強い場合は側屈に対して同側に回旋する。例えば右側屈をすると右回旋する。

回旋は運動分節ごとに片側回旋平均2°で、矢状方向に向いている椎間関節は回旋可動を制限する。回旋と反対側への側屈が連動し腰椎の回旋能力の無さをカバーしている。
腰椎の回旋の運動軸は棘突起の基部にあり胸椎に比べて椎間板の移動が多く前断力(特にL4、L5)がかかるのでヘルニアになりやすい。