頚椎の構造

第一頚椎(環椎)第二頚椎(軸椎)を上部頚椎といい、第3頚椎~第7頚椎を下部頚椎と呼ぶ。上部頚椎は下部の頚椎と著しく異なった形状をしている。環椎は椎体は無く全体に輪状で、軸椎は前上面から歯突起が突出し環椎の前弓内にはまり込み関節を形成している。歯突起の後方には環椎横靭帯があり頚椎の回旋運動の大部分をになう。軸椎と第3頚椎以下の連結は椎間関節により結ばれ、椎間円板が存在する、成人では椎体後外面にルシュカ関節(鈎状関節)と呼ばれる突起がある。ルシュカ関節は主に側方への動きを制御する。
頚椎は他の脊柱と異なり、頭蓋内への血流供給に関与していて横突孔を有しその中に椎骨動脈が存在している。運動稼働範囲も大きく、それに関与する筋の発達や協調性が重要である。頭部を支持する作用があり、障害が発生すると運動器、循環器、神経系に影響し様々な症状が発症し、頚反射の影響で歩行などに問題が発生することもある。
頚神経は第1頚神経~第8頚神経まであり、第1頚神経~第5頚神経の前枝は頚神経叢を形成し第5~第頚神経~第1胸神経は腕神経叢を形成する。頚椎の正常な湾曲は30~45°で第5頚椎がその湾曲の支点になる。頚椎の運動は屈曲・伸展・側屈・回旋の6方向で胸椎や腰椎と比べ動きが大きい。通常伸展運動は上位頚椎から起こり、順次下位頚椎へと移行する。上位頚椎の伸展運動は屈曲位から中間位までにほぼ終了し、下位頚椎の伸展運動は中間位からの伸展で生じる。回旋運動の約50%が環椎軸椎間で起こり、残りの50%が他の頚椎で生じる。側屈運動は環椎で軸椎間ではほとんど起こらず、他の頚椎でほぼ均等に起こる。上部頚椎機構は全体的に人体の健全性が必要で後頭-環軸関節と環椎-軸椎関節には骨性の関節支持機構が存在しないからである。屈曲-伸展時椎体の平行移動を生じるがこれは各分節により異なり上部ほど大きい。これは頚椎の関節勾配による。頚椎の自動回旋は側屈と同側への回旋つまり棘突起は凸側に回旋する。これは腰椎とは逆方向への回旋運動となる。
頚神経の多くは上肢に分布し、上肢神経症状を呈することが多く見られる。しかしその走行は複雑で抹消に至るまでに多くの障害ポイントがある。そのため上肢症状を呈する患者の場合、頚椎部の障害か上肢の障害かの鑑別が重要になる。